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聖徒ルカ

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聖徒ルカ
聖徒ルカは、考古学者や歴史家が始めに手がける執筆者として良く知られているので、私もルカから始めることにしました。またルカの執筆は新約聖書の約四分の一を占めているので(ルカの福音書、使徒の働き)、ルカについて調べれば新約聖書全体の真実性を知るたすけになると思ったからです。

ヨーロッパの学者たちは、約150年前聖徒ルカの歴史的記録を否定しました。ルカの全執筆を否定したその頃の学問的主張とは; ルカの言及している幾つかの地域、場所、当時の支配者達に関する証拠がないことでした。しかし前世紀における考古学遺跡発掘とその結果は、優れた歴史家であるルカと、彼の執筆したニ書(ルカの福音書、使徒の働き)は権威ある歴史の記録である、と証明されたのです。

ウィリアム・ラムジーは偉大な考古学者の一人として知られています。 彼は19世紀中期、ドイツでは有名な歴史学専門校で学び、このように教えられました: 新約聖書は紀元200年の半ば頃に書かれた宗教論であり、一世紀の歴史の記録ではない。 この教えを固く信じていたラムジーはルカの歴史的記録を反証しようと意気込んで小アジアに赴き特別な物的証拠の発見に励みました。数年にわたる現地調査の結果、聖書と一世紀の歴史について見解が一変してしまったラムジーはこのように言いました:

    ルカは第一級の歴史家である; 彼の供述は信頼できるだけでなく、真に歴史的感覚を備えた最も偉大な歴史家の一人である。1
ルカの正確な供述は、名前と歴史的重要人物を確かな時間系列で証明しています。さらに数多くの地理的領域と、テサロニケのアムピポリス、エペソの会堂管理者についてと、公共のミニストリー、サイパスでの審議、そしてマルタの“島の首長”について言及しています。またルカはイエスの最初のミニストリーについてと“アビレネの国主ルサニヤ”など、正確なタイトルも上げています。ルサニヤがカルキスの支配者であった時期は紀元前30−40年であったという記録から、学者たちはルカの信頼性を疑っていました。しかし、発掘された記述の年代はテベリオの時代(紀元14−37年)、神殿の献納物に“アビレネの国主”ルサニヤの名が記されています(アビレネはダマスカスの近く)。ルカの詳細な説明と歴史の一致は今日の非宗教的学識会を唖然とさせました。2

パウロがアカヤの地方総督ガリオの前に引き出されたと言う使徒の働きの記録は、考古学が再び立証しました。デルファイで発見された皇帝クラウデオの供述書がこのようにいっています:“私の友でありアカヤの地方総督でもあるルシアス・ユニオス・ガリオ...”  パウロがその地を訪れたのは紀元51年と記録され、また歴史家もこの供述書の年代を紀元52年と判断しています3

使徒の働きの後半、パウロと共に働いていたエラストがコリントの財務係りに任命されています。1928年、考古学発掘隊はコリントの劇場で次のような碑文を発見しました、“造営官として帰還後、エラストは自費で道路を築いた。” 敷石が敷かれたのは紀元50年、財務係の称号は造営官です。4

他の一節で説明しているマルタ島の“最初の島人”と称される首領ポプリオとその変わった称号を、学者たちは歴史的真実性に欠けると判断していました。しかし、最近の発掘からポプリオに“最初の島人”と言う称号があった事実が明らかにされました。5

ルカは他の箇所でテサロニケの統治者をギリシャ語“politarchs”(“市の統治者”)と言っています。この不調和な名はルカの記述の信頼性をさらに立証しました。なぜなら、約20に及ぶ記述が“politarch,”古代テサロニケの指導者の称号“として使われ、この称号がギリシャで使われた形跡は発見されていないからです。6

最後に、聖徒ルカがフィルギアのイコニオムと記しているところから、域世紀にわたりルカの信頼性が疑問視されて来ました。学者たちの判断は、歴史家キケロの文書までさかのぼり、イコニオムはルカオ二アであってルカの言うフィルギアルは間違いである、従ってルカの使徒の働きは全巻にわたって信頼性がないと主張しました。しかし、何が起きたと思いますか?1910年、ルカの記述に相反する証拠を探すため発掘を続けていたラムジーが “フィルギアの都市イコニアム” と書かれた碑文を発見したのです。7 1910年以来、多くの考古学的発掘はルカの記述の真実性を確証してきました!

    聖徒ルカの記述と調査の検討を続けてきた著名な歴史家A.N.シャーウィン‐ホワイトの声明: ルカの記述した33にのぼる国名と、54に及ぶ都市と9島の名は全て正確であった。8

    使徒の働きの史実性は抗し難く...基本的史実性から否定しようとする試みは全くばかげている。9

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1 ウイリアム・M.ラムジー。最近の発掘による新約聖書の信頼性。フーダーとスタウトン、1915.
2 パットザカラン、考古学と新約聖書。2000, 4, http://www.probe.org/docs/arch-nt.html. 聖書箇所:ルカ3:1。
3 同、聖書箇所:使徒の働き、18:12-17。
4 同、聖書箇所:使徒の働き、19:22。
5 同、聖書箇所:使徒の働き、28:7。
6 エリオ・ライオンズ、Politarchas, Apologetic Press, 2002。http://www.apologeticspress.org/rr/rr2002/res0204b.htm. 聖書箇所:使徒の働き、17:6.
7“使徒の働き”新約聖書紹介。ブルーレターバイブル。2002-04。http://www.blueletterbible.org/study/intros/acts.html。聖書箇所:使徒の働き14:6.
8 ノーマン・ギスラー、ベイカー弁証論辞書。ベイカーブックス。1999, 47。
9 A. N.シャーウィン‐ホワイト。新約聖書の中のローマ社会と法律、クラレンドン出版社、1963, 189。


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